--------------------
某結核療養所41年間の在院日数の変遷
佐藤 裕
1
1額田保養院
pp.71-74
発行日 1963年2月1日
Published Date 1963/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202061
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
鎌倉市,額田保養院の開設(大正9年11月1日)から昭和36年10月31日までの41年間の退院者在院日数を調べその時代的変遷を考察した。
開設から昭和31年10月までの在院日数については形式は異なるが先に簡単に報告1)したので,極く初期のことに誌面を費すことをさけ大正9年11月から昭和23年10月までの28年間の2,635退院者(除死亡)の在院日数は一括し第1表に示した。この28年間の総平均在院日数は127日であって短期間で退院した者が非常に多い。実はこの28年間を四期に分けてみると,時代のすすむと共に徐々ながら平均在院日数はのびてきている。この四期の成績表は省略したが,最初の8年間(大正9年11月から昭和3年10月まで)の583退院者(除死亡)の平均在院日数は90日,次の8年間(昭和3年11月から11年10月まで)の761退院者(除死亡)の平均在院日数は116日,その次の8年間(昭和11年11月から昭和19年10月まで)の1,121退院者(除死亡)の平均在院日数は140日である。昭和19年11月から昭和23年10月までの4年間,すなわち大束亜戦争の敗色濃厚となった頃から敗戦後の混乱期における170退院者(除死亡)の平均在院日数は208日となったが,この4年間でも在院期間が1ヵ月以下の者が退院者の約14%を,在院3ヵ月以下の者は約42%を占め依然として短期在院者の数が多い。
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.