固定欄 特殊病院
特殊病院について(3)
N.H.
pp.915-916
発行日 1961年12月1日
Published Date 1961/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201866
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国が開設する結核療養所は35年末で199施設,67,845床あり,結核病院全体からみて,病院数で33.6%,病院数で59.2%を占めている。このうち厚生省の所管の病院は179施設,65,500床である。国立療養所という場合には,ふつう厚生省所管のものを指しているので,以下これら国立療養所についてふれてみることとする。
国立療養所は旧傷夷軍人療養所,日本医療団,陸海軍病院を戦後引き継いで開設されたもので,その全国的な配置をみると必ずしも均衡のとれたものではない。35年末の総病床数は65,500床で全結核病床の26%,結核病院の全病床の57%を占めているが,県別に結核病床数をみると,国立の病床数がその属する都道府県内の結核病床数に対し50%以上を占めている県が2,40%以上50%未満が3,29%以上%未満が32,20%未満が9県となつている。また結核病院の全病床に対しては,100%すなわち結核病院は国立だけという県が4,80%以上100%未満が9,60%以上80%未満が11,40%以上60%未満が17,30%以上40%未満が5県となつており,地域的な配置に一貫性はないけれども国立療養所が結核対策上大きな部分を占めていることがわかる。患者の利用の度合を入院患者の延べ数でみると,全結核病床の延入院患者数に対し国立療養所のそれは27%を占め,病床数が占める率よりも高い。
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