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専門医制度をめぐる諸問題—(Ⅰ)主要各国の現状とわが国の将来の方向
佐分利 輝彦
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1厚生省医務局総務課
pp.325-336
発行日 1961年5月1日
Published Date 1961/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201793
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I.はじめに
最近,医療制度調査会の審議が進展するにつれて,専門医制度制定の可否が再び問題とされるにいたつた。さきに厚生省においては,昭和33年1月専門医制度調査会を設置して,わが国における専門医制度制定の基本方針について諮問し,同調査会で数回にわたつて慎重に審議された結果,専門医制度の実施に際してあらかじめ解決すべき当面の重要問題が整理されたのであるが,昭和34年に医療制度調査会が設置されることとなつたので,専門医制度調査会は発展的解消をとげ,医療制度調査会で引きつづき審議をおこなうこととなつた。なお,医療制度調査は委員の任命等の問題をめぐつて医師関係団体となかなか話し合いがつかなかつたために,予定より1年遅れて昭和35年に発足した。
専門医制度の制定が,各方面でこのように問題にされるのは,国民皆保険計画の実現に際して,国民に高い水準の医療を保障しなければならぬという要請と,新制大学院制度の確立,これと関連する旧制学位制度の廃止など,わが国の卒業後医学教育制度の改革と専門医制度との関連をいかにすべきかという事態にもとづくものである。
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