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主要各国の医療保障制度における病院医療費の比較的考察(III)—イタリー・スイス・オランダ
佐分利 輝彦
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1厚生省医務局総務課
pp.807-815
発行日 1960年11月1日
Published Date 1960/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201729
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V.イタリー
1)医療保障制度の概要
イタリーの医療保障制度は,社会保険,公的扶助および特殊の疾病(伝染病,性病,トラコーマ等)に対する公費負担制度によつて構成されている。イタリーの社会保険制度には国民疾病保険,国民社会保険,国民産業災害保険,国家公務員基金,公共企業体職員基金,地方公務員組合等の各種の保険があり,また国民社会保険のなかに結核保険制度が設けられていることは,イタリーの社会保険制度の一つの特色である。
イタリーの国民疾病保険制度は結核,精神または神経疾患については入院の給付を行なわない。また,市町村が予防および治療の責任を持つているある種の伝染病に対する入院の給付も,国民疾病保険制度の給付から除外されている。業務災害は結核と同様に別の制度で給付されている。
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