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病院医師の人事について—病院医師の人事にかんする調査研究(VI)(総括・結語)
前田 信雄
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1東北大学医学部病院管理学教室
pp.801-805
発行日 1960年11月1日
Published Date 1960/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201728
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総括
以上の各節を総括して,病院医師に共通な,人事,厚生,移動にかんする一般特徴を指摘するとすれば,次のようにいうことができよう。
病院医師は,院長の紹介によつて,多くは大学医局或いは病院から採用される。院長と大学医局との関係はかなり恒常的且つ特定的なものである。また,厚生にかんするところの給与住宅は,内容的には業務上のものが多いけれども,一応全般的にはととのえられてきている,といえる。但し,退職後の生活保障は,現在のところ,定年制度の適用は少ない反面,年金等の社会保障を受け得る医師は僅かであつて,必らずしも十分ではない。退職後頼るべきものは自己の専門的能力だけである。また,移動状況をみると,若い医師の同一病院への勤務期間は短かく,学位のないものは大学医局へ,また学位のあるものは自己開業もしくはヨリ良い条件の病院へ移つていく。
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