ナースひとり世界を行く・8
イタリーの思い出
菅 和子
1
1女子医大付属病院
pp.98-99
発行日 1967年11月1日
Published Date 1967/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917470
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/和を大切にする外国のナース/
スイスも,10年前は日本と同じように看護婦不足をなげいていたという話を聞きました。どのようにしたところで,スイスの人口はそれほど多くないのですから,ずいぶんたいへんだったようです。しかし外国人を入れたり病院の数を整理したりして,今ではそんなに騒がなくてよくなったといっていました。
日本でも,出生率がわかり,女性の労働人口がわかるのですから,不足,不足と声を大にして騒いだところでナースがぐるぐる病院から病院へたらい回しになっているだけで,絶対数が足りることはないと思うのです。看護婦不足は10年前からわかっていたことですし,紡績工場では,そのために大がかりな機械化が行なわれ,今日に至っていると聞きます。しかしナースだけはロボットではだめなんです。病院が多くなり,ますます深刻化する看護婦不足のために,インスタント・ナースの養成となると,やはり悲しい気持になります。あちらのペイが少し高いから,とふらふらトランクをさげて走り回るナースがいるとか,それを否定できない現状を見たり聞いて本当に困ったことだと思うです。
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