特集 第10回日本病院学会シンポジウム
シンポジウム抄録
病院の建築・設備
1.病院建築の諸問題
団野 健二
1
,
吉武 泰水
2
,
金子 敏輔
3
,
武藤 多作
4
1大分県立病院
2東大工学部
3神戸医大
4松江日赤
pp.693-694
発行日 1960年9月1日
Published Date 1960/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201707
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- 文献概要
病院管理の常識は建築家の間に広まつたが,病院建築は型にはまつてきたきらいがある。新しい病院の創造は病院に対する認識を深めることから生み出され,新技術の適用はその後の問題である。実状ではベッド当り坪数・坪当り単価に著しい幅があり,かつ最高のものも欧米の水準におよばない。これまでの一般通念を引き上げる必要があろう。また経済的に余裕がない場合ほど,当初の計画をねることが大切である。2.看護単位の構成と大きさ:看護単位は,精神・伝染・小児・結核・産科・外科系・内科系の病類別区分が行なわれるようになつたが,実状では混合単位がかなり多く,地方では一層著しい。病室を大病室と個室のほかに4〜6床室をまじえて構成する必要がある。また病棟内の生活的諸施設を使える患者の割合が知られたが,食堂は必ず設けるべきであろう。しばしば問題になつた看護単位の大きさについて,研究の結果では現状のように看護婦数が少なければ一般や結核で40〜50以上となることはやむを得ず,地方の小規模病院てはもつと大単位になりついには完全看護の体制がくずれてしまう。英国では従来の仕事受持よりも患者受持の看護体制がよいことを認め,看護単位の構成に新たな実験的試みを行なつている。また平家建病棟も悪くないとして独自のプランニングを発展させている。
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