Japanese
English
巻頭言
病院建築
Hospital Architecture
南 敏明
1
Toshiaki Minami
1
1大阪医科薬科大学教授
pp.1005-1005
発行日 2023年11月10日
Published Date 2023/11/10
DOI https://doi.org/10.18916/masui.2023110003
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- Abstract 文献概要
Buildingは建築物そのものを指し,Architectureは建物の構造や建築様式などの学術的視点から見た建築を指します。私にとっての病院建築は,hospital buildingではなくhospital architectureになります。麻酔科学教室教授を拝命して22年目ですが,この間に病院建築実務責任者を11年間担当しています。病院を創るというのはどういうことか,大学病院としてどのような建築であるべきか常に病院建築について考えてきた11年です。そのため,現在の専門分野を “麻酔科学” と “病院建築” にしています。建物は経年劣化しますが,病院のような鉄筋コンクリート造でも40年程度が耐用年数となっています。すなわち,どんなに立派な病院でも40年程度を目処に建て替える必要があります。人間が生活習慣病で動脈硬化になり,さらに血管閉塞・血管破裂になるのと同様に,建物も上下水道の老朽化が進みます。屋上の防水塗装や外壁塗装の大規模改修を行わないと建物の寿命は短くなります。さらに,本院は現地建て替えのため費用も時間もかかります。病院建築は基本方針,コンセプトの決定,基本設計,実施設計,建築と進みますが,この間に各診療科・部門との調整,動線(患者,医療従事者,各部署間,物流,給食など)やセキュリティーなど決定すべき事項は膨大にあります。
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