特集 第10回日本病院学会シンポジウム
シンポジウム抄録
病院薬局管理
3.病院における在庫薬品の管理(主として自動算出表付カーデックスの利用について)
久保 文苗
1
,
山口 寛人
2
,
福地 喜一郎
3
,
吉田 幸雄
4
,
神崎 三益
5
1関東逓信病院薬局
2社会保険羽津病院
3三共
4病院管理研修所
5武蔵野日赤
pp.695
発行日 1960年9月1日
Published Date 1960/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201708
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病院予算の中で薬品予算の占める割合は極めて大きいのが普通である。従つてその使用を合理化し,適正化することは病院の管理運営上緊要のことである。この目的のためには従来の薬品管理事務を種々の点で再検討し,改良を加えなければならないが,私共はその一つとして,在庫薬品を管理するために,自動算出表付カーデックスを利用し,ある程度事務能率を向上することができたと考えるので,それについて簡単に説明,報告する。
この方法は一口でいえば,管理事務における「例外管理の原則」を応用した整理方法であつて,使用する帳票の様式は,薬品出納カード,統計記録カード,算出用紙,見出紙およびシグナルよりなるものである。その最も大きい特徴は,算出用紙を用いて過剰在庫,正常在庫,発注段階および督促段階を区別表示し,それに合わせてシグナルを移動することによつて,出納カードを一一開けて見ることなく,各薬品の在庫状況を把握できる点にある。従つて各在庫薬品の標準在庫量について一つの安全な標準を定めれば,その標準通りに運営されているものには特に注意を払う必要がなく,例外のみを即座に発見して,適切な対策をするようにすれば,極わめて能率的な事務処理が可能であり,欠品,死蔵品等を生ずることを可及的に防止し得ると考えられる。なお発注点の算出法についても,それぞれスライドを用いて解説する。
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