特集 診療管理
医療の社会化
橋本 寬敏
1,2
1聖路加国際病院
2日本病院協会
pp.783-784
発行日 1959年10月1日
Published Date 1959/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201569
- 有料閲覧
- 文献概要
近年「医療の社会化」と云う言葉がよく使われるが,その定義については,誰もが同じことを考えているとは限らない。しかし,大体においてはこのように考えるのが普通ではないか。
医学が進歩するにつれ,医療は必ずしも廉価には得られない。即ち,個人の負担に堪えかねることが屡々あるので,これを社会の連帯責任において処理して行こうと云うのが医療の社会化ではないか。衛生方面では個人個人が如何に注意しても病気を防ぎ健康を保つには充分でないので,社会の連帯責任において予防と保健とを実行するのが公衆衛生だろう。文化国家は公衆衛生の実現に努力するとともに,医療の社会化を目指して努力するのである。
Copyright © 1959, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.