特集 農村病院
保健所と結ばれた僻地の公的病院
鈴木 寛
1
1新潟県立津川病院
pp.303-306
発行日 1959年4月1日
Published Date 1959/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201500
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最近社会保障の前進,福祉国家の建設を要望する声が特に強く,憲法で保証された「健康で文化酌な生活」を営む国民の権利と「社会保障,福祉及び公衆衛生の向上」を計る国の義務の完全実現に対する期待が強い。特に日毎に国民医療に関する世論は昂まり,国民皆保険を目的として各種法令の改正,制定を見,医療完全化への途が開かれつつあるのは喜ばしい事である。
併し現状では種々の事情に依り近代的医療は都市に集中し,かかる医療から全く取り残された所謂無医地区,僻地が余りにも多く,これが対策は急を要する問題である。我々の病院は斯る僻地医療の目的で地元住民,医師会の強い要望に依り開かれた県立病院であり,ここに当院の特徴と悩みがある。
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