講座 地域保健活動・2
宮黒保健所管内の僻地医療
小島 武雄
1
1宮城県宮黒保健所
pp.349-354
発行日 1970年6月15日
Published Date 1970/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204087
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地域には,それぞれの特性があり,保健活動もまたそのニードによって対処されねばならないことはいうまでもない.ただどのような保健活動であろうとも,その根本理念として,住民の健康を守る基盤はは住民自体であり,地域住民の主体的活動こそ,地域保健活動を前進せしめる原動力であることには異論はないと思う.
長野県佐久病院の若月先生は,健康管理がうまくゆけば,地域住民の死亡率を減らすことはできるし,また手遅れの病人もなくすことができる.しかし病気の発生率を減らすことはむずかしい.その原因として生活のあり方や,農民が自分の健康を守ろうとする意識の欠如にあると指摘しているが,まさにそのとおりであると思う.3割地方自治などといわれている限り,自治体自体による自主的な保健活動はきわめてむずかしい.しかしながら,少しなりとも,それに近づくためにはどうすべきか,それが保健所に課された大きな問題ではないだろうか.
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