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日英米病院管理機簿における診療管理について
吉田 幸雄
1
1病院管理研修所
pp.25-32
発行日 1959年1月1日
Published Date 1959/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201457
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はしがき
近代病院の機能のうち最も重要なものは診療であることは今更いうまでもない。従つて,病院管理において診療管理は最大の課題でなければならない。しかるに,従来本誌上に現われた診療管理に関する論文は比較的少く,主に診療補助機関の問題であり,診療管理の本態である医師の活動に関する管理の問題は守屋氏の医局論及びその他に過ぎない。幸い橋本日病会長提唱により昨年から日病主催にかかる,診療管理研究会が発足し,東京都内大病院医長が集会し,この問題に手をつけられたことは,時宜に適したことであり,また病院管理研修所においても,この一月初めて医長の病院管理研修のコースが持たれたことと合せて,わが国のこの方理の研究が発展する気運になつたことは喜ばしいことである。
諸,私は従来からこの問題に関心を持つた。日本の病院ではどうも医師が活動し難い現状にありこの改善はどうしたらよいか,他の機関が合理化されようとしても,医師の活動が不合理であるならば,病院内の組織的合理的活動は徒労に帰するではないか。従つて,どうしてもこの診療管理の合理化を計らねばならない筈である。
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