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外来会計に金銭登録機を使用して
後藤 光朗
1
1国立東京第一病院
pp.771-776
発行日 1957年11月1日
Published Date 1957/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201290
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1.はじめに
新しい医療機械や薬の使用などにより,診療技術の向上の著しいものがあるのに対し,診療部門に直接つながりを持つ医事業務に於ては,合理的な運営を図るための一環として,患者受付やベツト管理の中央化,或は伝票制度等が取り入れられてはいるものの,これらの制度のために却つて業務量が増加し,ただでさえ忙しい医事関係業務がますます忙しくなつてきているのが現状である。このため,どうにもやりくりがつかなくなつて旧来の制度に引き戻そうと思うなどの声も耳にする位である。業務量の増加が増員ということで処理出来ればそれにこしたことはないが,それも簡単に行い難い今日,高能率の機械を使用してこれをカバーすることが考えられる。
当国立東京第一病院では1日1,200余名の患者が来院するので,玄関から通路,待合室等に至る迄相当混雑しているが,そのために待時間が長いという悪評が高いので恐縮している。その中,医事の外来係に関係あるものとしては新患の受付と会計(医事に所属)である。診療費の支払いは,薬を貰う患者(薬治料は前納)以外は病院での最後の行為であり,これが済めば帰れるのである。今迄,あちこちで待たされ,また会計で長い列に並ぶのは苦患であるし,まして健康を損ねている人達であるから,吾々係の者は全能力を挙げて列の解消に努めながらも,何か他に良い方策はないものかと考えていた。
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