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医師の指示と看護の記録
今村 栄一
1,2
1病院管理研修所
2国立東京第一病院
pp.23-28
発行日 1956年7月1日
Published Date 1956/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201119
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日常の病棟業務において,医師が指示をして看護婦が実施する事項が幾多ある。この場合に,医師が指示する方法,看護婦が指示を受領して実施する手順,これらを記録する方法等いろいろのことが問題となつている。古い病院管理の形態においては,現在ほど問題とすることではなかつた。なぜならば,看護婦は医師の診療助手的な立場にあつたので,記録は医師に必要なことだけが書かれたし,看護のための特別の記録というものは重視されていなかつたからである。医師の指示も口頭でなされ,覚え書程度に,あるいは診療上特に必要であるということだけが記録されていた。
ところが看護業務が独立し,医師と看護婦の関係が変化してみると,医師の指示の取扱いとか看護の記録とかいうことが,さしあたつての問題となつてきた。今までのままではいろいろと不都合の点が目についてきたのである。この問題は医師と看護婦という特殊な関係にある二つの職種を結びつけるものだけに,それぞれの言い分もあつて,容易には割り切れない。しかし医師と看護婦のチームワークいかんが患者の療養に直ちに影響するのであつてみれば,いつまでも放置しておくわけにもいかない。
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