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病院の病歴室
田口 和枝
1
1国立東京第一病院
pp.25-34
発行日 1955年11月1日
Published Date 1955/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201026
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病院の一つの大きな任務として,そこで取り扱つた患者の明確な病症記録の作製や保管が重要である事は申す迄もありませんが,近年,我が国の病院でもこの方面の関心がたかまりつつあるのは喜ばしい現象だと思います。東一病院では,病歴が正確且つ完全に書かれる様に,よりたやすく,便利に利用出来る様に,という目的を持つて,昭和27年7月から,図書室の一部に病歴室を設け,病歴係を置いて,入院患者の病歴(病症記録)の保管整備を始めた事は,既に御存知の方も多いと思います。
近頃「私の所でも始めたいから」という見学の方も大分来られますので,ここに,私どもの現状及び体験を述べ,御参考に供したいと思います。私どもとしましても,これが完全なものであるとはもとより考えておりませんが,国立病院として,未だこうした仕事の分野が正式に認められてないために,定員や予算の裏附けが得られないという恵まれない条件の下に於ける,一つの試みとして御覧願いたいと思います。
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