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医師の修業年限と收入—大学附属病院の医局員について
守屋 博
1
,
岩佐 潔
2
1国立東京第一病院管理部
2厚生省病院管理研修所
pp.67-75
発行日 1955年8月1日
Published Date 1955/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200991
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緒論
医師に対する報酬額を決定する一要因として,1人前の医師となるまでに幾許の年限と費用を要するかと言うことは,重要な問題と言わざるを得ない。現行法令によれば,小学校入学以来医師免許を得るまでには6,3,3,2,5の学校教育とその後1ヵ年以上のインターン修練を経て計19年の過程を経てから国家試験に合格し,医籍に登録されて始めて,その資格を得ることになる。しかし乍ら社会的に1人前の臨床医師として通用する為には,その後更に数年を大学附属病院の医局において過すことが普通とされている。この医局生活と言うものは他の職業には類を見ないものであつて,医師と言う職業の特殊性の現われであり,その後の医師の収入とも深い関連性を持つているので,特に医局の経済的実態について調査を行つてみた。なお本研究は慶応大学経済学部の藤林敬三教授を班長とする厚生科学研究費による「医療経済の研究」の一部分として,医師の生産費に関する基礎資料を得る目的で行われたものである。
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