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小兒病室と空氣調整
今村 榮一
1,2
1厚生省病院管理研修所
2国立東京第一病院
pp.21-22
発行日 1953年2月1日
Published Date 1953/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200598
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空気調整(air conditioning)は近代的建築には切り離すことのできないものであり,わが国においてホテルやビルなどで採用しているところも少くない。しかしながら病院においては一般にはほとんど手がつけられていない状況である。
空気調整は人体の生理状態に適応するように空気状態を適当に保ち,室内を快適な状態にすることを目標にしているのであつて,病人において一層必要とされることは言うまでもない。しかしながらわが国においては単なる暖房設備もデパートや映画館などでは当然あるかの如く常識的に取扱われているにもかかわらず,病院においては未だ積極的に取り上げる状況に至つていない。もちろんその原因の一つは,例によつて予算の不足というところにもあるだろうが,健康者の生活環境は快適にされるに反し,病人の環境が旧態のままであるということには,誰でも矛盾を感じるであろう。しかし病院における空気調整も近時ようやく注目されるようになり,新しく建築されている病院において,手術室その他一部に空気調整の実施をみるようになつて来ている。
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