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200床病院總合モデル設計について
吉武 泰水
,
守屋 博
,
吉田 幸雄
pp.18-26
発行日 1951年4月1日
Published Date 1951/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200306
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§1.モデルプランの運用について
この案は昭和24年12月14日第1回の全般的打合せをしてから,翌25年5月30日案を提出するに至るまで,11回に亘る建築小委員會の討議と,凡そ延500時間の設計研究時間を費したものであります。
從來病院の設計は,院長の個人的な意見に強く左右されたり,或は設計者の軍なる建築常識によつて片附けられたりして,病院の實際の活動のかたよつた見解の下にまとめられることが多かつたといえましよう。病院建築が個々まちまちであつたのもやむをえません。ところが戰後,米國の病院管理方式が我國にも適用されようとするに及んで,病院の中で行われる諸活動が,それぞれの活動にたづさわる多數の人々が,よいと思われる方法(即ち個人的でなく客觀的な,根據のあるやり方)で一定の秩序の下に行われるようになると,病棟の形や病院全體の設計にも,皆がみてこれならよいというものが考えられるようになつて來ます。即ちモデルプランが考えられる下地が出來てきたわけです。
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