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病院概史(その12)
YY
pp.2
発行日 1950年11月1日
Published Date 1950/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200223
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Sieboltの来朝以来,蘭学の普及は著しく,古法はそれに対抗して1849年幕府をして医官に外科眼科以外は蘭方参用を厳禁せしめたが,時代の流れに抗すべくもなく,1857年にはこの蘭方禁令を解き官医の西洋医方研修を許さざるを得なくなつた。
Edward Jennerが牛痘接種による天然痘予防法を発見したのは1796年であるが,それより40年後の1847年佐賀藩医官伊東玄朴は藩主鍋島氏を説き,前年長崎に医塾大成館を興して居つた楢林宗建を通じ和蘭カピタンに牛痘苗取寄方を依頼,翌年和蘭軍医Otto Mohmke牛痘苗をもたらす。楢林宗建,吉雄圭斎はMohmkeに親炙して種痘普及に努力す。1849年には既に,佐賀,広島,京都,大阪,江戸,福井に普及。1857年には北海道の痘瘡流行に応用されるようになつている。
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