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最近の人事管理の問題
上野 陽一
1
1人事院
pp.8-14
発行日 1950年7月1日
Published Date 1950/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200166
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管理法の発逹
ワタクシドモのシゴトには2通りあります。その1つは病院であれば病人を治すという本業であつて,それには医学という技術が要るわけであります。その技術を身につけている人のことを技術者,エンジニヤと申します。ところが1つのシゴトをやり遂げるためにはこういう技術を心得た人,病院でいえばお医者さんだけではムズカシイのであつて,この他にもう1つ大切なシゴトがある。それは英語でいうマネージメントであります。そのマネージメントをやる専門家をマネージヤーというのであります。このマネージメントという英語に相当する適当なドイツ語はないのですが,ドイツ語では,このコトをBetrieboführungと申します。このエンジニアリングの方は学問を土台とし,多年の経験を重ねた技術を体得した人でなければできませんから,この方は大学などで教えております。ところがマネージメントの方は少し常識の発逹した人ならばダレでもできると思われています。病院でいえば,総務部長とか庶務課長といつた位地の人のするシゴトがソレでありますが,こういうものにはいままで学問的の基礎がなかつたのであります。医者になるには非常に高度の教育を必要としますが,庶務課長には必ずしも庶務ということに関する学問をする必要はないと思われていたので,いままでの日本では大体法科のような学問をした人が庶務課長になつておつたのであります。
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