報告
施設入所高齢者の日常生活活動(ADL)とその変化
穐山 尚子
1
,
穐山 憲
2
,
竹内 孝仁
1
1日本医科大学附属第2病院リハビリテーション科
2神戸芸術工科大学環境デザイン学科
pp.925-928
発行日 2001年12月15日
Published Date 2001/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902642
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少子高齢化とともに要介護老人の増加は深刻な社会問題となっており,介護保険制度の導入に際し高齢者の日常生活活動(以下,ADL)とそれを支える介護が注目された.在宅あるいは施設高齢者のADLに関する既存の研究において,要介護者の増加1〜3)とADL低下に対する痴呆の影響4)が報告されている.一方,痴呆高齢者におけるADLの低下と死亡率の関連も報告されている5).
特別養護老人ホーム入所高齢者は知能を含む身体機能や日常の生活能力のみならず,経済や介護状況などの社会環境にも問題を有する脆弱な高齢者といえる.このような既に介護を受けている高齢者が大多数を占める集団を対象としたADL研究は,維持・改善を目的とした検討というよりADL低下の様態の検討といえる.われわれは施設入所高齢者におけるADLの低下に着目して3年間追跡調査し,年齢と知能レベルの影響,さらに死亡率の検討を行った.
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