特集 里山資本主義と地域医療
【事例】
高齢化が深刻なUR都市機構幸手団地におけるコミュニティ再生と地域医療の取り組み―郊外地域に対応した住民主体の地域包括ケアシステム
中野 智紀
1
1社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス東埼玉総合病院在宅医療連携拠点事業推進室
キーワード:
地域包括ケアシステム
,
地域医療再生
,
専門職間連携
,
住民主体
,
地域ケア会議
Keyword:
地域包括ケアシステム
,
地域医療再生
,
専門職間連携
,
住民主体
,
地域ケア会議
pp.710-713
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102857
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■医師不足かつ崩壊した地域コミュニティに急速な高齢化が到来
埼玉県は首都圏にありながら,人口10万人当たりの医師数や看護師数などが全国で最低レベルであり,医療資源が相対的に不足している県であることが知られている.東埼玉総合病院(以下,当院)が所在する幸手市と所属する二次保健医療圏である利根保健医療圏は,県内でも人口10万人当たりの医師数が最少レベルであり,あらゆる医療介護資源の不足が深刻化している.
さらに現在,埼玉県は全国で最も速いスピードで高齢化が進んでおり,住民の疾病有病率も急速に上昇している.現在,都内または他地域の医療機関を利用している住民は相当数存在し,地域の高齢化とともに,今後,地元の医療機関を利用するようになる傾向が予想されている.さらに高齢者の急増により,受け皿となる地元の医療や介護機関の需要と供給との間の不均衡(以下,需給ギャップ)は,今後ますます顕著となることが予想される.
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