特集 病院食再考
病院食の最近の動向
西脇 司
1,2
1公益社団法人 日本メディカル給食協会
2日本ゼネラルフード株式会社
キーワード:
外部委託
,
セントラルキッチン
,
新調理
,
高齢者食
Keyword:
外部委託
,
セントラルキッチン
,
新調理
,
高齢者食
pp.360-364
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102774
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かつて病院給食は,「まずい,冷たい,早い」と揶揄されていた.しかし,今や病院給食は病院経営上の重要な要素として認知され,その存在感は年々高まっている.
社会情勢の変化とともに日本人の「食」を含む生活様式が変容してきていることに加え,年々膨れ上がる社会保障費の抑制を目的とした様々な医療制度の改革が実施されていることを背景に,病院給食は,同時に大量の食事を提供する集団的給食サービスから,患者個々の病状や食事形態,そして嗜好に応じた個別の食事サービスへの転換が求められてきている.医療制度の改革において,病院給食の患者負担は増加し(一般入院1食260円,療養病床1食460円)患者はその負担に見合うだけの高いクオリティの食事を病院給食に求めるようになってきている.“おいしさ”は当然ながら,食事選択の自由度や嗜好対応などが,患者にとって病院を選択する際の重要な指標となりつつある.
病状や食事形態に合わせた適切な栄養管理の下での食事の摂取が,治療の効果を高め,早期回復には欠かせない要素であるとともに,おいしい食事が入院生活での大きな楽しみとなっていることは,病院給食に携わるものの共通認識である.病院淘汰の時代と言われる今,患者を集める力(集患力)を高めたい病院は,患者サービスの一つとしての病院給食の位置づけを見直す必要に迫られているといえる.
筆者は,長年,給食運営を主業とする会社に籍を置き,病院給食をビジネスとして捉えてきた.その視点から,病院給食のこれまでとこれからについて述べてみたい.
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