特集 こんなところも!“ちょいあて”エコー—POCUSお役立ちTips!
【@在宅・緩和・教育】
⓯褥瘡×エコー
大浦 誠
1
1南砺市民病院 総合診療科
キーワード:
褥瘡エコー
,
深部組織損傷
,
DTI
,
不明瞭なエコー像
,
cloud-like
,
筋膜層の途絶
,
毛細血管拡張所見
,
ポケット
Keyword:
褥瘡エコー
,
深部組織損傷
,
DTI
,
不明瞭なエコー像
,
cloud-like
,
筋膜層の途絶
,
毛細血管拡張所見
,
ポケット
pp.981-985
発行日 2022年8月15日
Published Date 2022/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203857
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褥瘡は、寝たきりの患者に最もよく見られる症状の1つである。皮膚が圧迫されて発赤となり、損傷があっても真皮内にとどまっているのが「1度褥瘡」と呼ばれる軽度の褥瘡で、圧迫を解除すれば短時間で改善する。一方で、圧迫が持続すると不可逆な虚血性変化から潰瘍を形成して、いわゆる褥瘡と言われるものになる。端的に言えば、自然に治癒する発赤なのか、褥瘡に移行する可能性のある深部組織の損傷なのかの見分けがつかないことが問題なのである。診断が曖昧だと、標準的なケアをしているにもかかわらず、きちんと除圧できているどうかのモニタリングを行うことも困難である。褥瘡になると医療費の拡大にも影響するため、早期診断が望ましいのは言うまでもない。
褥瘡の国際ガイドラインでも、国内のガイドラインでも、深部組織損傷(deep tissue injury:DTI)という用語が使われている。これは「初期の段階では表皮から判断すると一見軽症の褥瘡に見えるが、時間の経過とともに深い褥瘡へと変化するもの」と定義されている。実際には圧力やずれなどの負荷で虚血や代謝障害が起こり、深部組織に壊死が起こっている状態である。褥瘡の評価スケールも2020年に改定されて「DESIGN-R®2020」となり、深さを評価する項目に「DTI疑い」という項目が追加されている1)。
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