研究と報告【投稿】
厚生連病院に見る重要業績評価指標の実証分析
鳥邊 晋司
1
1兵庫県立大学 大学院経営研究科 医療マネジメントコース
キーワード:
厚生連病院
,
収益性
,
生産性
,
KPI(重要業績評価指標)
,
経営の質
Keyword:
厚生連病院
,
収益性
,
生産性
,
KPI(重要業績評価指標)
,
経営の質
pp.388-393
発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102266
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要 旨 本稿の目的は,厚生連病院115病院のうち,実稼働病床数に占める一般病床数の割合が8割以上の75病院を対象に,売上高経常利益率の代理指標でもある経常収支比率(経常収益/経常費用:%)を目標成果指標として,その改善に因果関係を有すると思われる業績評価指標(Key Performance Index,以下KPIと呼ぶ)を取り上げ,それらの関係を実証的に解明することである.重要業績評価指標の選択にあたっては,今回はBSC(バランスト・スコアカード)の4つの視点,つまり「財務的視点」「顧客の視点」「内部ビジネスプロセスの視点」「学習と成長の視点」に着目し,9つのKPIを選択した.そして,従属変数を経常収支比率とし,説明変数を先のKPIとして重回帰分析を行った.その結果,新入院患者成長指数,医薬品費率,経費率,委託費率,減価償却費率,職員1人当たり医業収益,平均在院日数の7つのKPIの有用性が明らかとなった.これらの結果をもとに,各KPI指標の平均値から,どのような問題点が推測され,それに対する処方箋をどのように考えていけばよいか,若干の考察を試みた.
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