特集 看護職の賃金・給与体系はどうあるべきか
看護職の賃金の現状―「官民格差」の視点からの分析
角田 由佳
1
1山口大学大学院東アジア研究科
キーワード:
官民格差
,
自治体病院
,
平均賃金
,
モデル賃金
,
離職率
Keyword:
官民格差
,
自治体病院
,
平均賃金
,
モデル賃金
,
離職率
pp.356-361
発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102261
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7対1入院基本料が2006年に新設されて6年,診療報酬と介護報酬の同時改定の年を迎えている.7対1入院基本料を取得するべく看護師の労働力の需要が増大し,労働力不足の問題が生じたことは記憶に新しいが,不足解消へ向けて起こるはずの価格上昇,すなわち賃金の上昇は,当時20歳代前半の看護師のみに観察され,他の年齢階層における賃金はむしろ低下していた.そして同様の状況は,現在もなお残っている1,2),注1).
看護師全体を観察した場合,その賃金は下がる傾向にあるが,看護師の中でも勤務する病院によって格差が生じている.本稿は,看護師間で生じている賃金の格差について,病院の開設主体の違い,いわゆる「官民格差」の視点から実態を明らかにする.
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