連載 医療管理会計学入門・1【新連載】
医療界における管理会計の全体像と必要性の高まり
荒井 耕
1
1一橋大学大学院商学研究科
pp.308-311
発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102249
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
■医療管理会計の全体像
管理会計とは,医療制度など経営環境が変化する中で,その変化に適切に対応しつつ, 質が高く効率的な医療を提供し続けるための経営管理の仕組みである.採算(財務)面の業績を管理するだけでなく,患者満足度や質・安全性・在院日数・従業員能力向上などに関わる業績も同時に管理する.医療機関(病院や多角化法人)が費用対成果の高い医療サービスを継続的に提供するために,特に経営管理者層にとっては不可欠な,経営管理の仕組みである.
こうした管理会計の仕組みには多様なものがあり,対応しているマネジメント領域も異なる.管理会計には,戦略遂行マネジメント,責任センター(部門)マネジメント,提供プロセス(サービス)マネジメント,経営情報マネジメントの各領域に対応するための各種手法および活動が含まれている(図).そして,これら各種の仕組みが有効に機能するためには,互いに有機的な関連づけがされていなければならない.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.