特別寄稿
民間病院における会計管理実務の現状・1—発生主義会計・決算処理
荒井 耕
1
1大阪市立大学大学院経営学研究科
pp.886-891
発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903391
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医療財政の悪化を背景とした診療報酬抑制策の下にあって,多くの病院は厳しい経営状況におかれている.こうした中,病院界において診療科別採算管理(診療科別原価計算,注1)などの会計管理手法による経営管理にも期待が寄せられている.また社会一般からは,公共的サービスを提供する機関として,病院は経営状況を会計的にしっかりと把握し,外部に報告するとともに,会計情報を基に経営を安定させ医療サービスを継続的に提供しつづけることが期待されている.
そこで筆者は,今後,病院界に会計管理を普及・定着させるための研究の第一歩として,民間病院における会計管理実務の現状をアンケート調査により定量的に把握することを試みた.「部門別原価計算を試みる病院が最近増えてきた」といった話は,筆者が実施してきたインタビュー調査などでもよく聞かれるが,具体的にどの程度の割合の病院で部門別原価計算などが実施されているのか,また病院属性により会計管理実務にどの程度違いがあるのか,は今まで明らかにされたことがないからである.
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