研究と報告【投稿】
初期臨床研修医に関連したインシデントの傾向と対策
冨田 泰彦
1,2
,
北原 るり子
3
,
高橋 信一
3,4
,
赤木 美智男
1,2
1杏林大学医学部医学教育学教室
2杏林大学医学部付属病院 職員教育室
3杏林大学医学部付属病院 医療安全管理室
4杏林大学医学部第三内科学(消化器内科)
キーワード:
研修医
,
インシデント
,
傾向
,
対策
Keyword:
研修医
,
インシデント
,
傾向
,
対策
pp.953-957
発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102159
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要 旨 2007~2010年度の4年間における初期研修医関連のインシデントレポート56事例を,日本医療評価機構・年報や当院初期研修修了医事例と比較し,その傾向を分析した.報告時経験月数は2年間均一で,発生時間帯は午前8~10時,曜日では火~木,比較的土曜も多かった.患者影響レベルはすべてアクシデント3a以下で,インシデント0~1が76%,内訳は患者誤認,輸液手技や薬剤(処方・注射)の誤認が7割,診療情報,輸血と気管挿管,他に関するインシデントが3割であった.患者誤認は3分の2が採血検体で,他に胸水検体・輸液・対診依頼表,輸液では留置手技が多く,他に輸液速度・CVC留置手技,気管挿管時の口腔損傷であった.処方では情報・確認不足が7割と多く,ほか薬剤量・薬品名誤認であった.注射では量誤認が7割と多く,ほか薬剤名誤認,情報・確認不足であった.初期研修医では午前中の採血患者誤認,薬剤や輸液に関するインシデントが多く,繰り返しの注意喚起や支援体制が重要である.
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