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1人でも多くを救うために―平成21年度全日病救急災害訓練 医療法人芳越会 ホウエツ病院
pp.401-404
発行日 2010年6月1日
Published Date 2010/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101699
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全日本病院協会の救急・防災委員会では,阪神・淡路大震災の翌年より,毎年会員病院において救急災害訓練を行っている.14回目となる今回は徳島県美馬市の医療法人芳越会ホウエツ病院において実施され,徳島県立中央病院および田岡病院(ともに徳島市),徳島県医師会,美馬市消防・警察,さらに和歌山県立医科大学附属病院からもドクターヘリが参加する大規模なものとなった.
これまでの救急災害訓練は地震を想定した内容であったが,今回はバスと乗用車による多重衝突事故を想定している.シナリオを担当した徳島県立中央病院救命救急センターの三村誠二医師に,その理由を聞いた.「地震などの広域災害と違って,交通事故はピンポイントで発生する集団災害です.徳島県も高速道路が通り,大規模な交通事故が起こる可能性は高い.事故現場に近い病院へ多数の患者が搬送されてきた時にどう対応するか,訓練しておくことが重要なのです」.
ホウエツ病院は美馬市で唯一の2次救急病院.救命救急センターのある徳島県立中央病院や徳島赤十字病院までは車でも1時間はかかるため,このような事故が発生した際,適切にトリアージできるかは切実な問題だ.
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