特集 教えて!医師のためのビジネス・スキル
【コラム 医師と企業/起業】
病院経営から多くの患者さんを救う道
裵 英洙
1
1ハイズ株式会社
pp.1250-1252
発行日 2019年10月15日
Published Date 2019/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202312
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◦私がメスを捨て、白衣を脱いだ理由
10代の頃、“腕一本でメシが食えて”、“ヒトの命を救うことができる”仕事が、カッコよかった。そして私は外科医になり、多くの患者さんとともに歩んできた。しかし、今は起業家であり、病院経営を専門にするコンサルティング会社を経営している。いったんは医師になり夢を叶えた私が、なぜ起業家になったのか?
1998年、金沢大学医学部を卒業後、北陸地方を中心に外科医としてがむしゃらに働いた。例外にもれず、外科医としての仕事は過酷を極めていたが、直接的に命を救うことの達成感に恵まれ、毎日が満ち足りていた。しかし、外科医として多くの手術に携わっていると、開腹したがすでに腫瘍の転移が進み手遅れになっているなど、医学の限界を目の当たりにする場面も少なくない。そんな思いが募っていくと、「病気をもっと根本から見つめ直したい」との気持ちが芽生え始め、病巣のさらなる理解のため、病理学という選択肢を考えるようになった。キャリアチェンジとしてかなり迷ったが、医師になった以上、「たくさんの人たちを救う」ことにこだわりたく、大学院で病理学講座に入門し、病理専門医を取得。外科病理を極めるべく、医師として病理医キャリアを再スタートさせた。
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