交見室
小野芳啓先生へ
森山 浩之
1
1県立広島病院泌尿器科
pp.743
発行日 1999年8月20日
Published Date 1999/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902739
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- 文献概要
私の症例報告「自然破裂した陰嚢水瘤」(臨泌53:243-245,1999)をお読みいただいたことに対しまして,まずお礼を申し上げます。さらに,私が検索し得なかった論文までお示しいただき,感謝に耐えません。私が今回の症例をあえて投稿いたしましたのは,今後どなたかが同じような症例を経験された際の参考になれば,という気持ちからでした。最近では文献検索もなかなか困難となっており,自分で探すことのできるものには限度があります。ましてや戦前の雑誌の検索となると,ほとんど不可能に近いのが現状です。そのような中で,戦前に発表された論文までも記憶しておられ,また探し出された先生には敬意を表しますとともに,自分の不勉強と努力不足を痛感いたしました。
今回私の経験いたしました症例では,患者の希望により手術までには2日間の時間的余裕がありました。そこで,手元にあった論文やテキストなどを探してみましたが,今回の症例に該当するような事柄は見つけることができず,良性の疾患よりも悪性の疾患を疑わせるような結論しか得ることができませんでした。先生よりお教えいただいた谷奥喜平先生の論文を読ませていただくと,今回私が経験した症例とまさしく同一の症例が示されており,この論文を手術前に知ることができていれば無用な精巣摘除をしなくて済んだのにと,いっそう残念でなりません。
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