特集 医療におけるソーシャル・ビジネスの展開
フィンランド福祉国家の競争力とソーシャル・イノベーション
山田 眞知子
1,2
1北海道地方自治研究所
2前・北翔大学
キーワード:
フィンランド福祉国家
,
ソーシャル・イノベーション
,
社会政策
,
競争力
Keyword:
フィンランド福祉国家
,
ソーシャル・イノベーション
,
社会政策
,
競争力
pp.202-205
発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101655
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近年,フィンランドの生徒の学力の高さと優れた国際競争力がわが国でも注目されている.フィンランドは次のような特徴を持つ北欧型福祉国家に属している.それらは,国が国民の幸せに責任を持つ割合が大きいこと,社会保障が高度に普遍的な公的サービスならびに平等な給付と労働所得に基づく給付によって成り立つこと,平等の理念,高い税負担,所得や生活水準の格差が比較的小さいこと,進んだ地方自治制度などである.
では,このような高福祉高負担の国は,どのようにして国際競争力を高めることができたのだろうか.競争力は高福祉高負担と矛盾しないのだろうか.本稿は,フィンランドの福祉国家の社会政策が競争力の強化に寄与するしくみを,ソーシャル・イノベーションを通じて見ることを目的としている注1).
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