特集 拡大する医療・介護需要
【事例】急性期医療機関と在宅医療―都心の脳卒中医療の問題
鈴木 一郎
1
,
岡本 薫
2
,
原 幸枝
3
1日本赤十字社医療センター 脳神経外科部
2日本赤十字社医療センター 総合医療相談室係
3日本赤十字社医療センター 訪問看護ステーション係
キーワード:
地域医療連携
,
急性期医療機関
,
在宅医療
,
脳卒中
,
都心
Keyword:
地域医療連携
,
急性期医療機関
,
在宅医療
,
脳卒中
,
都心
pp.34-37
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101614
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日本は現在急速な高齢化に直面し,4人に1人が65歳以上という高齢社会を迎えようとしており,今後20年間に75歳以上の後期高齢者が約1,000万人増加するものと推定されている.また,近年人口が大都市に集中する傾向が加速し,核家族化や住宅の狭小化などと相俟って,大都市での高齢者夫婦のみの単独世帯や高齢者の独居世帯などが増加している.さらに,大都市は,地価の高騰,地域コミュニティーの希薄化,隣人同士の相互支援や見守り機能の低下など多くの問題を抱えており,大都市での高齢者の在宅療養は困難を増してきている.
平成19年施行の第5次改正医療法では,がん,脳卒中,急性心筋梗塞および糖尿病の4疾病と救急医療,災害時における医療,へき地の医療,周産期医療および小児医療の5事業について,地域の医療連携体制を構築することを求めている.中でも脳卒中は,死亡原因の第3位,総患者数の第4位,寝たきりの原因の約4割を占め,さらに要介護原因の第1位,高齢者医療費の使用額第1位,などの数字が示すように,早急な対策が求められている.
ここでは,東京・都心の急性期医療機関である当院の脳卒中医療の実情を事例として取り上げ,都心における地域医療連携の現状と問題点について述べる.
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