連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第168回
【60周年記念座談会】今の病院が抱える課題―建築の視点から
今井 正次
1,2
,
河口 豊
3
,
友清 貴和
4
,
長澤 泰
5,6,7
1三重短期大学生活科学科
2三重大学
3広島国際大学医療福祉学部
4鹿児島大学工学部
5工学院大学工学部
6東京大学
7(社)日本医療福祉建築協会
pp.70-75
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101369
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病院管理とともにスタートした病院建築
長澤 本日は『病院』誌の60周年を記念して,「今の病院が抱える課題―建築の視点から」をテーマに,座談会を企画いたしました.
私は1970年代に厚生省の病院管理研究所にいた頃,病院管理の研究は旧態依然だった日本の病院を近代的・効率的なものにするために,戦後アメリカの指導によって始まったことを聞きました.病院建築計画研究は,東京大学の吉武泰水先生(『病院』1949年1巻2号に寄稿)の研究室に始まり,本日いらしている先生方の恩師である伊藤誠先生,柳沢忠先生,青木正夫先生,その他の先生方に引き継がれ,1954年には日本病院建築協会(現・日本医療福祉建築協会:JIHa)が発足しました.日本の病院建築の曙の時代と言えます.
さて,先生方は,いつ頃から病院建築を意識されたのか,なぜ病院建築―この泥沼と言ってもよいかもしれませんが(笑)―に足を踏み込んだのか,何を問題視されていたのかをお聞かせ願えますか.
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