特集 検証 平成20年度診療報酬改定
【平成20年度診療報酬改定 検証】
精神科病院への影響
平川 淳一
1,2
1日本精神科病院協会 医療経済委員会
2医療法人社団光生会平川病院
pp.1066-1072
発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101345
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平成20年度診療報酬改定の精神科領域は,平成16年9月に提示された「精神保健医療福祉の改革ビジョン」に示された“入院医療中心から地域生活中心へ”という精神保健福祉政策の目的達成に沿って行われた.すなわち,「病床等の機能分化」「退院調整機能の充実」「地域での医療・福祉の基盤整備」の3点が診療報酬に反映された.
「病床等の機能分化」では精神科救急入院料等の基準の見直し,「退院調整機能の充実」では地域移行支援加算,地域移行実施加算など,「地域での医療・福祉の基盤整備」は精神科訪問看護における急性増悪の場合の回数増加などが挙げられる.また,今回はプラス改定であり,その中で精神科は新規項目も多く,よい評価がついたと思われているようであるが,実際には,ハードルの高い成功報酬形式の加算項目が多く,算定できる病院が少ないこと,また,その加算点数も低いため,われわれにはよい印象はない.
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