特集 検証 平成20年度診療報酬改定
平成20年度診療報酬改定と日本の医療提供体制
原 徳壽
1,2
1前・厚生労働省保険局 医療課
2環境省環境保健部
pp.1049-1053
発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101341
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平成20年度診療報酬改定にあたって,大きな課題があった.それは,急性期病院を中心とした「医療崩壊」と言われる現象である.新聞各紙も言葉は違えど,医療現場で何かとんでもないことが起こりつつあることを報道していた.地方の病院で医師不足による診療科の閉鎖や,修練途上の若い医師たちが病院を離れるといったことを特集で解説していた記事も多く見られた.これらの原因として,長年続けられてきた医療費抑制策,医師の臨床研修義務化(それに伴う研修医の流動化),勤務医の過酷な勤務状況と低給与等が述べられている.筆者は,これらの現象の大きな原因は,わが国の医療提供体制そのものにあると考えており,その変革なくしては,今後の超高齢社会を乗り切れないと考えている.本稿では,それに対して,平成20年度診療報酬改定でどのように表現されたかについて述べることとしたい.
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