特集 人材不足をどう打開するか
看護師の労働需給と雇用政策
角田 由佳
1
1韓国漢陽大学校国際学大学院
pp.494-498
発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101205
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2006年度の診療報酬改定において,従来よりも看護師を多く配置する「7対1入院基本料」が新設されて以降,看護師不足の問題が発生し,今なお続いている.しかし看護師の労働力不足問題は今日に始まったことではなく,問題に対処しようと,政府はこれまで数多くの政策を施行してきた.
本稿ではまず,看護師の労働力不足が生じる労働市場の構造と,背景にある看護師の労働供給行動の特性について,経済学の視点から整理する.そのうえで,日本の診療報酬制度,特に看護に関わる診療報酬の支払いの仕組みによって,看護師に対する労働需要が過剰に創出されたり,労働力を供給するインセンティブを阻害されたりするという,需要と供給両面にもたらされうる問題を提示し,適切な政策手段について検討する.
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