連載 病院管理フォーラム
■医療経営と可視化・6
手術室の視点から
冨岡 俊也
1
1東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター
pp.261-263
発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101148
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
医療を取り巻く情勢の厳しさが言われるようになって久しい.その原因に関しては,いろいろな点が挙げられる.医療費に関連する事柄だけでも,急激な少子高齢化社会の到来による医療費の急増,医療技術の進歩に伴う高額医療の増加,国家財政の危機に伴う医療を含めた福祉関連支出の制限,など枚挙に暇がない.一方では,現場における情勢の厳しさも日々増している.病院の集約化の大きな流れに伴う,特に地方の地域中核病院での医師不足,数年来の医療費のマイナス改定による減収減益,勤務医不足に伴う病院勤務医の疲弊,などである.
では,そもそも現在の医療のどこに問題があるのであろうか.大きく分けて,「医療の質」と「医療に関する財政」,この2つに問題が集約できるのではないだろうか.「医療の質」はさらに「外部的な質」と「内部的な質」に分けることができる.「医療の質」と「医療に関する財政」は表裏一体であり,この2点を検証するうえで本稿のテーマである「可視化」は非常に有意義である1).
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.