連載 医療動向フォーラム
■DPCの今後を予測する・5
DPC病棟と非DPC病棟の棲み分けや診療報酬のあり方(3)―DPC二階建て実現時の運用イメージ
高橋 泰
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1国際医療福祉大学医療経営管理学科
pp.1060-1061
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101086
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本誌10,11月号で日本DPC協議会が提唱するDPC二階建て構想を紹介してきた.今月号では,これまでの議論をまとめ,さらに二階建てが実現した場合の地域医療のイメージと運用のイメージを紹介する.
●これまでの議論のまとめ(10,11月号の復習)
今回の提言の前提は,現在DPCによる支払いを受けている病院や調査に参加しているDPC病院よりも,現在出来高で支払いを受けている一般病床(非DPC一般病床)のほうが,包括払いに適しているということである.包括払いが適している病院とは,「標準的な医療で対応可能な患者の比率が高い」病院であり,別の言い方をすると,「例外的な患者や特殊な患者が少ない」病院である.一般病床を,DPCによる支払いを受けている「DPC病院」と,DPCによる支払いを受けていない「非DPC病院」に分けた場合,標準から外れた医療を必要とする患者をより多く集めているのは,現在の「DPC病院」のほうであろう.標準的な医療で対応可能な患者の比率が高い病院が包括払いに適した病院という原則から考えるならば,現在の「非DPC病院」に対して包括払いを行い,現在のDPC病院に対して出来高払いを行うほうが,理に適っていると言えるだろう.
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