連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第150回
市立砺波総合病院
古我 大作
1
1株式会社共同建築設計事務所
pp.611-616
発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100983
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計画の概要
例年初夏の到来を告げる風物詩として「砺波平野のチューリップ」が新聞紙上等で紹介される.市立砺波総合病院は,その「チューリップ」と「散居村」で知られる富山県,砺波平野のほぼ中央に位置しており,同市を含む「砺波医療圏」の中核的な病院として,その役割を果たしている.数次の増改築を繰り返してきたが,老朽化と錯綜化が進行し,新たな医療環境に対応する必要が生じていた.そのため,1996年に現在地で,大規模な増改築により整備する方針が決定され,21世紀を見据えた医療施設として再生することとなった.
当時,移転新築という手法に加えて,現在地での再生整備が見直されてきた背景として,特に地方では地域の経済的,社会的,生活的中心を医療施設が担う場合が少なくなく,移転による地域の空洞化を避けたいという要請が強くなってきたことが挙げられると思う.本計画も同様の事情があったことは想像に難くない.
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