特集 患者負担のあり方を考える―フリーアクセスから選択責任へ
社会的にみた医療の技術革新とコストダウン
新田 義孝
1
1四日市大学環境情報学部
pp.554-558
発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100970
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はじめに―社会的にみた医療のコストダウン
本稿では,「社会的にみた医療のコストダウン」を次の7つに分けて論じることにする.
①高齢化しても入院しなくて済むか,入院する機会を最低限に抑えることができるようにすること.
②入院した場合に,患者の免疫性を高めて自然治癒力を最大限働かせるように工夫すること.
③治療に関して,異なる専門医,看護師など患者に対処する立場や見方の異なる人たちの知見を動員して総合的な対策を施しやすくする知的情報統合システムを作ること.
④院内感染を防ぐこと.
⑤生命保険と健康維持・医療を組み合わせた保険制度を作ること.
⑥最先端医療技術への期待.
⑦医療現場の現場力の低下を防ぐ.
これらの項目の中には,現行の制度では実現不可能なものも含まれるが,将来を見据えて,現状を少しでも改善していこうと考える際に役立つ可能性のあるアイディアを提供するのが本稿の目的と考え,それにとらわれないものとする.
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