英国で学んだ病院管理・4
‘合理的’と低コストの意識
関 武矩
1
1聖路加国際病院秘書課
pp.54-55
発行日 1974年4月1日
Published Date 1974/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205324
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‘合理的’な洗濯工場
リージョナル・ホスピタル・ボード(RHB)の下にホスピタル・マネジメント・コミティ(HMC)によって病院群が管理運営されていることは前に述べたとおりであるが,この管理方式の中で,非常に合理的であると思われたものの1つに現業部門の洗濯工場がある.個々の病院がおのおの洗濯工場をもたずに,HMCが基幹病院に,あるいは独立した規模の大きいセントラル・ランドリーを設備して,グループ病院の洗濯を一手に引き受ける仕組みである.
4000床を有するHMCでは,300人の従業員が働く洗濯工場を見たがベルト・コンベアーによる流れ作業で1日に8万点を処理している.仕上がったリネン類は,工場の輸送用トラックで毎日定期的に各病院に配達されるし,病院から工場に送る洗濯物の回収も同様である.そして驚くことは,洗剤を6か月分も一括購入して割安にしており,設備の中央化とともにコストを著しく下げている.数年前にアメリカの病院界で提唱され,種々実行されている’ME—RGE’のことを思うのだが,100床の病院でも,1000床の病院でも洗濯設備が必要なのであるから,さらにこれを統合することによって,人・物・金の節減ができれば,合理的といえる.
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