連載 回復期リハビリテーション病棟便り・4
回復期リハビリテーション再考(上)
大仲 功一
1
Kouichi Onaka
1
1茨城県立医療大学付属病院リハビリテーション科
pp.860-882
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100908
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■回復期の前期と後期
回復期リハビリテーション(以下,リハ)病棟へ入院してくるのは,脳血管障害,脊髄損傷,大腿骨骨折などの発症や受傷から3か月以内の患者である.発症・受傷から1~3か月というこの時期は,まだ原疾患や合併症の病状が安定しないことが多く,障害像の変化も大きい.このような時期を筆者は「回復期前期」と呼んでいる(図1) 1).
その時期を過ぎてやがて病状が落ち着いてくると,医療的な処置が減り,機能的な回復も一定の軌道に乗ってくる.障害像も明確になり,回復予測やゴール設定はより具体的になる.このような時期には ADL の拡大はもちろんのこと,生活や人生の再構築(職業復帰や社会的役割の再獲得など)に向けての包括的な支援も非常に重要になる.維持期への橋渡しともいえるこの時期を筆者は「回復期後期」と呼んでいる1).
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