連載 回復期リハビリテーション病棟便り・5
回復期リハビリテーション再考(下)
大仲 功一
1
Kouichi Onaka
1
1茨城県立医療大学
pp.939-940
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100924
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前回は,回復期リハビリテーション(以下,リハ)病棟への入口,すなわち急性期からの流れを中心に回復期リハの現状と問題点を考えた.今回は出口(維持期側)に視点を移してみる.
■回復期リハ病棟の目的
連載第1回で紹介したように,回復期リハ病棟の目的は,「ADL 能力の向上による寝たきりの防止と家庭復帰」とされる.ADL 能力とは,いうまでもなく,食事,排泄,移動,入浴といった,日常生活に欠かせない身辺動作(活動)の能力のことである.「ADL 能力の向上」は,「寝たきりの防止」だけでなく,多くの場合は介護・介助量の軽減を意味する.そうすれば,介護スタッフの常駐する施設に入らなくても家庭で生活できる可能性が高くなる.実際,入院(入棟)時の面接で聞く言葉に,「せめて一人でトイレができれば…」とか「(家族のいない)日中を一人で過ごせるようになれば…」というものが多い.これらの条件を満たすことが必要条件になるとは限らないが,確かに「排泄の自立」や「日中独居」は自宅退院に向けてのキーワードになることが多い.
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