特集 急変する医薬品政策―病院としての対応
薬剤選択とクリニカルパス
飛野 幸子
1
Yukiko Tobino
1
1済生会熊本病院
pp.476-479
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100833
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薬物療法を行う際に薬剤の選択を行うのは,当然のことであるが主治医である.患者に最も適した薬剤を,原則として院内採用薬品から選択する.一方,クリニカルパス(以下パス)においては,定型的な治療経過をたどる場合は,チームでコンセンサスを得た薬剤を選択することとなる.もちろんバリアンスが生じた場合は個別対応となる.これはある意味では医師の裁量権の問題ともなり,パスで薬剤を規定することには困難なことも多く,またコンセンサスを得るための時間と労力は多大である.
当院では1996年から全病院的にパスに取り組み,患者用も含めると現在125種類のパスを運用している.パス作成に当たっては多くの職種がかかわり,問題点を抽出し,可能な限り根拠に基づいた標準化を試みている.薬剤の選択においても同様であり,文献検索,現状分析に基づいて,チームでのコンセンサスを時間をかけて行っている.
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