連載 医療機関のマーケティング戦略─産科の受療行動からみえるもの・8
広告規制緩和後,医療機関の広告は果たして変わったのか?そこで,効果的な媒体とは?
碇 朋子
1
1静岡県立大学経営情報学部
pp.1030-1036
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100721
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医療現場からの実感
1.読者からのメール
今回は最初に,筆者が本連載を読んだ読者からいただいたメールを紹介させていただく.なお原文の意図を変えない範囲で,よりわかりやすいように,( )書きで,言葉を加えている.
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産科でも,昔と違って,料理や個室の質を訴える広告を(最近よく)見ます.昔と違って,近所の客(だけ)を抱え込む時代は過ぎ去っていくようです.(一般に)「どうしてこの病院を選びましたか」という(患者)アンケート調査では,「近所だったから」という返事が一番多いのですが,「結婚相手をどうして選びましたか」とか,(通常の商品の)ブランド選択(調査)でも,「手近(だから)」とか実際の欲求とは異なる返答が多くあります.しかし,病院(の領域)ではマーケティング研究が不十分で,いまだに(マーケティングや調査結果の)意味を誤解されているように思います.(通常の商品の)ブランド選択(調査)で「店においていたから」という調査(結果)を納得する企業はないと思います.病院(の領域)では「近所だから」(という回答)で納得して,差別化の(目的を有した)広告(展開)をしない病院が多かったのですが,90年代後半から差別化広告が増えていると感じています.
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