厚生行政フォーラム
病院の広告規制
厚生行政研究会
pp.314-317
発行日 1987年4月1日
Published Date 1987/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209040
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
先月号はホスピタル・アイデンティティの特集で病院の広告についていろいろと述べられていたので,今回我々は,このテーマについて論議したいと思います.
現代は情報社会です.患者は良い医療を受けたいと思い,良い病院を探すために時間やお金をかけて情報を集めます.病院も自分の病院を宣伝することによって患者を獲得しようと思っています.患者の「知ることによる利益」と病院の「知らせることによる利益」はお互いの利益が一致していれば問題はないのですが,場合によっては相反することがあります.行政の役割はこの両者のニードの調整にあると言えます.現在,病院の広告については医療法第69条により厳格な規制を受けています.最近,厚生省ではこれらの規制について緩和する方向で検討がなされていますが,具体的には広告できる診療科名を拡大するということのようです.ここで,この広告規制が今まで果たしてきた役割,問題点及び今後のあるべき方向について考えてみたいと思います.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.