特集 変貌するか医療法人
資金調達の多様化
鈴木 喜六
1
1有限会社ヘルスケアマーケティング研究所
pp.832-837
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100696
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資金調達多様化の背景
1.資金調達多様化の中心は直接金融
資金調達の多様化とは,主に従来の銀行融資以外の方法が多様化していることを示す.この流れは,従来の銀行融資が資金提供者から資金借入者への中間に銀行が介在して「間接的に資金を融資する」間接金融と呼ばれていることに対して,新しい方法が銀行を排除して「資金提供者から資金借入者へ直接的に資金が提供される」ことから,直接金融の拡大と呼ばれている(図1).
このような変化は,一見すると「中間搾取の排除」として社会的に好ましいように見えるが,従来の資金仲介者(銀行)が担っていた機能が不要になったわけではない.この機能は,資金提供者・資金借入者のいずれかが負担する必要があり,その点では銀行を排除する金融方法にはそれなりの課題が加わってくる.
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